2007年9月29日

 首を吊るための太いロープはここにはない

 あったとしたってどこから吊ったら死ねるんだろう

 カーテンレールじゃ弱すぎる

 初めからこの部屋はそういう仕組みになっているんだね

 ドアノブと首にタオルでも巻いて

 ウィスキーを飲んだら朝には逝けるけど

 週に何度かここにやって来る

 僕の大好きな女の子がいる

 二人は幸せに生きている

 バラ色に輝き愛し合っている

 

 誰も死なない 誰も生まれない 誰もしゃべらない

 国に行きたいな

 鬼がいたって 悪魔がいたって お化けが出たって

 かまわないから

 

 君を知るための強い心が僕にはない

 あったとしたってなにから話せば知れるんだろう

 この世の言葉じゃ弱すぎる

 初めから僕たちはそういう仕組みになっているんだね

 二人して首にマフラーを巻いて

 ストーブに照らされ朝まで話したけど

 死にたいんだっていつも思ってる

 愛し合いながら傷を確かめてる

 二人は幸せに生きている

 バラ色に輝き信じ合っている

 誰も死なない 誰も生まれない 誰もしゃべらない

 国に行きたいな

 鬼がいたって 悪魔がいたって お化けが出たって

 かまわないから

 顔も見たくない 声も聞きたくない 君を知りたくない 何もしたくない

 とても会いたい 二人でいたい 抱き合いたくはない 何もしたくない

 誰も死なない 誰も生まれない 誰もしゃべらない

 国に行きたいな

 鬼がいたって 悪魔がいたって お化けが出たって

 かまわないから

 誰も死なない 誰も生まれない 誰もしゃべらない

 国に行きたいな

 鬼がいたって 悪魔がいたって お化けが出たって

 かまわないから

 そんな国で生きたいんだ