子供たちに

我ながら

ていねいにいれたお茶を

わさび煎餅で受け止めて

正しさについて考える

わさびによって

解き放たれた涙腺が

うるうるとにじみ

行き惑う望みを見守って

死にたく思い

甘い干し柿を食う

何も変わらないにしても

子供たちに言葉を届ける

この舌で

だから

お茶はていねいに

わさび煎餅はご近所で

焼いた

閉店間際の

また涙が出てきて

爺ちゃんの送ってくれた

干し柿を口に入れ