夜の監視

星も月もきれい

だって午前の二時だもの

このあたりじゃ世界が一番

美しい時間

車の一つも通らない

このあたり本来の空気の匂い

静かで静かで

ペットボトルがビンみたい

僕がぜんぜん若いから

あの人は平気で服をぬぐ

虫の死んでるこの季節

いつになく猫も大人しい

見えない死体がどれだけここに

転がっていたってわからない

空を見あげてつまずくと

そんな想像がふわっと来るのだ

かといって

下を向いて歩けば

何をされるかわかったものではない