道の名前

思いついて忘れて消えてったフレーズ、

くちびるの端に残り。

心の隅には残り。

頭のどっかに引っかかったまま。

冬の光、誰も殺さず。

歩きながらに日向ぼっこ。

繋ぎ甲斐のあるような手が今、そこに、

飲み干し甲斐のありそうな涙、心の奥に。

銀河に照らされるともっと綺麗なら、

このまま晴れるなら夜を待って。

ぼんやりした時間は未来へ貯めておけばいい。

のんびりしただけ人生は延びる。

公園のベンチには積極的に座る。

忘れてしまったフレーズを思い出すため。

すべて二人ぶん、言葉は無限に。

モンジュースを飲んでからして、笑う。

強すぎる冬の光、冷たすぎる冬の風。

念じても出ない汗がなぜか、吸い上げられて溶ける。

冷たすぎる月の光、凍えるような夜の風。

演じるだけ演じたあとで一言、正体明かす。

そうだ、そういえばこのことだ。その一言。

思い出せるはずがないのは、当たり前のこと。

風と光と、土と緑と。

歩き甲斐のあるような道の名前は。