花実

ああー今ごろ僕の知らないところで沢山の大人たちがお酒を飲んでいる。

こんなにも彼らはお酒を飲んでいる。

あんなにも綺麗な桜の下で

お腹が空いたから何か食べたい。

お土産として買ってきた青柳ういろうをあけてしまおうか。

ああー火が燃える。火が燃える。

忘れるために発泡酒のドアをふさぐ。

積み上げられた本が泣いている。

敷き詰められた本が呻いている。

コタツの上に丸大豆しょうゆがある。

ピーナッツバターがある。

僕は舐める。

飲み残しのヱビスに口を付ける。

財布が今にも干からびそうだ。

二ヶ月ぶりに洗濯をしたのに。