ロマンチシズム

ロマンチシズム

それはまだ君の

唇が僕のために

処女であったときの

ロマンチシズム

それはまだ君の

精神が意地悪を

知らなかった無垢の

美しき時を奏でていた白い声

ロマンチシズム

それはまだ僕が

眉をしかめたり

酒を握り締めて

うなり声を上げるような年上の友人を

知ることのなかったような時代に

君が投げかけてくれたような

あのなぞめいた微笑

それだけが主題