佐藤春夫先生へ それとは関係なく恋の歌

情熱的ではない

しかし確かな恋

そこには絶対にあり

だが手ごたえのない愛

注ぐアルコールは彼女のため

されど唱える

言葉は何もない

セックスならば何だっていい

射精さえ可能であればいい

だがしかしここに

僕の叫ぶ余地のあるということは?

恋とは何か

愛とは何か

君が魔女でなければ

いったい何者であるか

君に全く

教養のないがために僕は

ぼんやりと空を見上げ

新しすぎる詩のフレーズを

君のために

考え付かなければいけないというような

そういう

完璧に斬新であるような時間

真夜中というものがあるがために

真夜中というものがあるがために

数十パーセントという酒が実に

この世にあり

時に女がそれにだまされ

時に男がそれを言い訳にする

それがために