海を忘れたい

こんな詩のかきかたはきらいだった

かんがえていることを

かんがえていなかったかたちで

だれにもわからないように

ねじきってだすこと

そんな詩にかちがあるとはおもわなかった

心象風景をえがくのがきにくわなかった

そうしてみんながさっぱりしている

うでをきって汚い血を流している

みんなはさっぱりしているのに僕の血はまだ黒い

あんな詩をかいたなんてしんじられない

どうしたんだ恋でもしたのか

ちがうかんがえることにつかれたのか

そうかんがえることにつかれたんだ

かんがえないことにもつかれたんだ

どんな詩をかいたらいいのかわからない

かんがえることとかんがえないことのあいだに

なにがあるのか僕にはわからない

だからうでをきって血を流すように

心象風景をえがきつづけなければならないのかもしれない

喉や腹や心臓から血を流したことのないやつが

いくら腕から血を流してみたって

なにもわかりはしないのに

笑ってるよ喉や腹や心臓が腕を

なんて汚らしいんだろうって