耳鳴り

耳鳴りが聞こえない

破滅のような音を待つ

睡眠過多で身体が重い

ボウフラの湧いてしまいそうな頭の中に

まだ耳鳴りが聞こえない

食べ物を咀嚼すると

その音が耳に届き

ひとときの安心を得るのだが

もっと脳髄の隅までも響き渡るような

足先まで震えるような

そんな音はないのか

いったい何を噛めば

僕の頭蓋はふるえるのだろう

耳鳴りが聞こえない

静かすぎる

もっと雑音を

もっとノイズを

もっと関係のない情報を

生きることを忘れられるほどの

不必要な感覚