同じ言葉を並べてる 幾千万人の表情の中に僕は埋もれていく
絶えず変化する感情が僕の筋肉を動かして 記憶すら操作する
操られている 不気味な舌使いが在るはずもない言葉を探して
空回りする
優しげな顔
悲しげな顔
寂しげな顔
愛しげな顔 無数の表情が
裸の骨格を一つずつ覆っていって
醜く太った黒い塊になる あらゆる色を吸い取って
爪を立て剥がして欲しい
鋭利な刃で一枚一枚切り取ってしまって
少しずつ僕は生まれた時に戻る
泣き顔だけの 真実の僕に生まれ還るから
爪を立てて 剥がして欲しい
ナイフで切り取ってしまって
やがて僕は生まれた時に
泣いている僕に 真実の僕に還る 還るから