行雲流水/やがて

はだけた浴衣 風にめくられる書物のページ

すやすやと眠る娘 あくびする猫

“速さ”のための雲 “流れ”のための川

手をかざすと 可視的になる

それは…?

きらめくTシャツ ふっくらな胸

あの娘の笑顔の散弾銃

光のように 水玉のように “優しさ”があふれだす

まるで全身はペンダント 星屑を隠す青空に

(行雲流水でイメージ 固める

 行雲流水のイメージ 崩れる)

のぞいた胸元 風にめくられて示されるもの

すやすやと眠る ならば あくびする僕

“速さ”あっての雲 “流れ”あっての川

手をかざすと 可視的になる それは光

手のひらの中にあって 見えない

きらめくTシャツ ふっくらな胸

あの娘の笑顔の散弾銃

光のように 水玉のように “優しさ”があふれだす

まるで全身はペンダント 星屑を隠す青空に

はためくスカート 飛び散った夢

やがては消えゆく三段論法

光のような 水玉のような “優しさ”が目に映る ついに

まるで全身がふわふわなシャワー 浴びる 青空から

もはやそうではない 行雲流水ではない

“やがて”が来た それは今だ

一瞬のうちに固まってしまうものというのが世の中にはあって

永遠にその状態を保ち続ける だから

きらめくTシャツとふっくらな胸 そして

あの娘の笑顔の散弾銃 これらは

光のように 水玉のように “優しさ”をつくりだす

まるで全身は

星屑を隠す青空に吸い込まれていくように