ひげづらの小六
南へ
海岸線を越え
大陸棚を
征く
海底の落とし穴に落ちる
地球の中心を通る
噴水のように
裏側から湧き出る
ひげづらの小六は
ブエノスアイレスでも好評だった
サッカーボールにかじりつきながら少年は
(ブラジルの主食)
ひげづらの小六を発見して
投げつける
破裂する球体
肝臓からは肉汁が飛び散る
死んでも死なない
パラドクシカルな薬を
ひげづらの小六は
年老いた占い師から奪い取る
すると年老いた占い師は
更に年老いて
消えてなくなったという