エルベ川北東の地に住む曾祖父を お姫様から救うため

色んなものが

本当に流動していく

流動していくものは

父であったり

母であったり

川を流れる一人の少年、

一人の少女とランデブー

中学生のころの僕が

授業中に鉛筆で走り書きをした

川を流れる一人の少年、

一人の少女とランデブー

それは誰とも共有のできないものだった

例えば

神様から二番目に近い寺院からこぼれ落ちる野菜の数々

群れ貪る 貴族たち 農奴 そして

追い出された虫たち

ゲップが出るほど穀物を噛んで

なお運ばれる野菜たち

人類唯一の 共通の器官 口

そして折れた 塔が 人が死んだ

言葉は乱れた

セックスという風習が

ここから生まれた

と聖書ではそう されている

ウサギ

タヌキ

ゲルマン民族

ごぼう

様々な何か

異種でありながら

世界に存在しているものたち

流動していく

何かを読んでいる僕

感情を読む

文字や記号や表情の上をひた走る

感情を読む ひたすら

流動している

流動している

流動しているのは

父であったり

母であったり

何者かへの反抗であって

そして

彼ら自身も 流動している

流れ続けている

川を流れる一人の少年、

一人の少女とランデブー

少年の少年時代を

彩った言葉

彩った感性

全てを束ねるのだとされた

伝承的な観念