鬱メートル

クラっとする交通地獄 年度末工事多すぎ 鉄骨見上げた空は曇り すべては僕のためのもの 両手ぶらりで受け止めとる 気が進まない 理由はない 生理的に無理 優しくできるがしたくない 頰撃つ間合いに誰もない 地獄さながらの雨模様 みなさまもそう思うのだろう…

助けてくれ

死がここに 死がここに 死がここに 明かりがつかないぼんぼりに 閉じ込められて破れない 怖い 不透明さも暗闇も 年重ねればありきたり 何をいまさら恐れるか 頭上の石のあざ笑う 足が切断されるような 内臓を抜かれるような 舌がなくなるような 指が動かなく…

ヤニクラの心地良き吐き気 空腹にカレーでうがいした よく晴れた冬の夜長に 長いコートが風を縫い 脳が細まり必要な美のみ見える 景色がすべて等間隔である 平たいものは意味を失う 異常な香りの記憶のせいで 空気の揺らぎが味覚に巣食う 胃が熱い 肺は無い …

秘匿の宵

はあ週の終わりに すべてを停めて 葉巻くゆらして お気に入りの違法エロビデオ垂れ流し 特級のヴァージン7年 古いゴードンの小瓶開け 爆音でCAKEのファッションナゲット あらゆる時間から隔絶される ビデオ止め 終わったレコード片付けて やっぱWe get reque…

平衡感覚

鬱めいてくる 何も変わっちゃいない 重たいのはコーヒー不足か くるくる回っているだけだ 一度だけの人生いかに過ごす ストレートに潔く 複雑怪奇にどろどろに 何も決めちゃいない 判断能力に疑いがある すべて平坦に すべて平坦に 右も左もわかっちゃない …

美の終わり

顔と身体は100パーセント 内心内面半信半疑 うつろえどその魂は 今日ですべてを終わらせる ふう明かされぬ我が身の錆は いま鍵の ここに散文を書くのはずいぶん久しぶりのこと 今年は散々だったんで令和6年はリセットミーしてスタートしたい 昨晩酒を飲みす…

霊園の花屋で

大いなる墓群のはし ひらけた空をきりとった 戸のない四角な景色を望む 背もたれに沈み珈琲を飲む 屋根と壁の横長なスクリーン 鳥の声がするたまに来る 誘い合って猫も鳴く 雨上がり 以前このあたりで カエルの大発生にでくわして 寺の横の細い道を埋め尽く…

ひとり眠り

眠れない じぶん一人になれないと 二人で寝ているときだって 君と一人でいるのだよ

落ちる事

なぜかわいいことと 猟奇的であることはこんなにも 仲が良いのだろう 血とメルヘンの双方を子は愛す いけないよ本当に そこから産まれた呪いを背負い 椿のように真っ逆様に堕ちたいのだろう 本当は花びらのように舞いたいのだろう いずれにしても 君は天を見…

恥と要

自分という好きの白釉 万札飛んでく醜い男 愚かしさ毒を慕え 花も枯れ 振り付けがいて 好きなようには踊れない 泣きながらなめらかに 動きながら固まっている 吸い尽くされて 少なくなってゆく 心許ない心のもとに 神秘と邪悪が忍び寄る 新しるのはいいけれ…

ただの文句

自殺を要請する お前に生きてる意味などない 働けば働くほど 野球見て叫び 居酒屋行って叫び 電車乗って叫ぶ なんてこと言ってたら 電車反対向きに乗ってた 慣れないことはしないこった 気を取り直して 肌色のマーチ 共感覚は誰にでもある 記憶が誰にもある…

叶わない恋をした

君がゆえ 君がため おお歌え エル・サルバドール 仮の世に はためかす瞼 良い嘘を僕に 君の身体と シナトラの歌 心踊り 二人の気持ち 長いお別れ 波打つようなカウンターで 四角のケースに丸いものが入ってる いつもそうだね 大事なものをカドが守る 転がっ…

社会不適合

もうわたくしが誰かなど関係ない 鼻がききすぎて犬なのです 足の裏で踏んでたまえ 雀と蝉の合奏を聴け 浅暗い夏 早朝と夕暮れが折り畳まれて わたしはいま待っているんだか 見届けているんだか 長く長くもう遠くから たなびいてくる排気ガスの 尻尾のこげた…

こどもの船

ぼくね今もう子どもなの だからやめてね おねだりしないで また逢いたいなら 求めないでね どれだけ僕が天使でも どれだけ僕が無敵そうでも 大人だったのはむかしの話 もう勘違いしないでね またああやって遊びたいなら 子どもになってまたきてね 本当のほう…

夏のしじまに

嘘のように人のいない真夜中 雨上がりに病み上がり まだ病人の匂いがする 鼻がいかれて 犬が駆け寄ってきた 死にかけた人間は野蛮な味がする 猫のように無表情 みんなでストンと底に座った 蝉は黙る 涼しさと水気に 木々は萌える 今夜だけ空広く 雲間に光る…

セブンスターから

ライター切れていた 何度も何度も 老人が マッチをくれとママに言う 震えた手つきで確実に すべて憶えている 吸う セブンスター

質の高い音光について

花火より月 星の前の月 他人と花と友達と ああ矢田川の花火大会 完璧を目指して挫折した 伝統と信頼の隅田川花火大会 完璧を背負って今年も輝く 反吐が出る、すぐ帰った よくできたバンドマンの長文 質の高い青春 磨きに磨いた青臭さ クォリティがくだらなさ…

お散歩遠く

お散歩遠くへあてもなく なかよしお月様 指先すべてが美しい 目に見えぬものたちも あっちかな こっちかなって どうにかなってしまいそうです お散歩遠くに手を振って だれか笑ったら 耳を澄ましていいんだね ひとりでもいいんだね 聞いたかな ゆったかな 豊…

美は残る

ずたぼろに崩壊しても 美は残り なんと残酷なことか 愛に敗れても 死より濃くても 美だけは残り 酒に溺れて 人に殴られ 泥にまみれても

ラブガン

世界中 没交渉 壁の入り方を なるべくしてなる 花の音 かまいませんとも 横の深さを測りましょう 人も魚も 人のものは欲しい それだけだろうな さわやかな形 悩むなら着慣れ 空からは狩られ 頭から消えてゆく わたしの殻ら わたしらの稲ら 自滅の冠 鬼畜の星…

音楽

音楽って嫌いなんだよな 言い訳付きの麻薬 正当化した堕落 何も考えたくない奴がたった一言 「音楽」とだけ言えばすべて そんな気になる手抜きの概念 個別に見ろ それは本当に音楽か? ジャンルに乗るな リズムに乗れよ ただ純粋に好きなものを愛せばいい の…

遠くまでゆけ

みんなのことが嫌いで嫌いで もうだめで 地球のことが 時間のことが よくわからない空想のことや 宇宙みたいな幽霊みたいな 遠くのものがあまりにも好き 人間のことが辛くて辛くて 死にたくて 意味わかんないし 歩けば困るし 楽しくもない ただ美しさで生き…

殺意八幕

好きの自由 嫌いの自由 好きにさせろよ お前が嫌いだ がんばってる人も いたいけな人も 偉大な人も 輝く女も 嫌いなもんは嫌いなんだから 仕方ないだろ 殺していいか? 抱くだけ抱いてバキバキに砕く きみの身体は甘くて硬い 軽やかな口あたり 鮮やかな手ざ…

不可能耳

言語が無理 言語が無理 脳が疲れて 言語が無理 かさばらない はばたかない へださてない したがらない 赤いといいなと 黒いといいなと 青いといいなと 白いといいなと あまり思わなくて済みたく 陽気も何も 文字が怖い 耳から入る文字が怖い 全部バラバラに…

ファザコン

4時開店の5分前 店の扉は開いている 入っていいなんて言ってない 当たり前の顔 ちょっと困るな カレンダーも昨日のままで そう彼女には罪はない 彼も悪いとは思えない けど食い違った 戦争になるぜ ファザコンぶち殺す 何よりも女の敵 ファザコンぶち殺す 男…

若い詐欺師

若くなくなる保険を持って 若さ謳歌する卑怯者 いつか落ち着く手筈でもって 破綻匂わす小狡い詐欺師 憧れの無頼 青春というエネルギー 手は届くけれど戻って来れない ゆえにしっかり握っているね いつもそうしていいとこ取りで 苦悩もすべて過ぎ去ることは知…

殺人の寸前

グラスの水滴が 指について 眉を撫でたら つめたい 熱き談義スポーツの風 僕はだるくて殺したい みんな同じティーシャツ 大声に包まれて年だけ進む店主 白髪が増えたわね 愚か者らと賢人たる僕が 横木に肘ついてこれから何起こる 車が走り月が傾く 佐々木様…

みんなごめんね

みんなごめんね もう死ぬね 誰でもいいから 許してください みんなごめんね みんなって誰? わからないよね みんなごめんね 名指しできなくて 言いたいことなら 山ほどあるけど もう死ぬね こんな言葉しか 伝わらないから

さよならムーンスター

普通の人間をどう許していこうかね うるせえ奴らを 脳足りんはしゃぎ屋の 無駄に歳とった半端者どもを それにしても小さい女の子は お母さんの手を 繋げくるくると回し すべてを背景にしてしまう 愛について考えようという 呼びかけを 漫画本で跳ねのける 最…

神経衰弱

さよならだユー 自律神経 どっかいっちゃった イカれてる頭に 体がついてきていない おやすみよミー 華やかなる死の予感 気狂いのゴール 徹底的にやってきたとおり ちゃんとぬるめの風呂に浸かって 副交感神経優位のまま眠りに就こう 最高な世界 桃色クラブ…